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日常を面白くするセンスと仕掛けをケイシー・ナイスタットから学ぶ

参考:バイラル動画の天才、ケイシー・ナイスタットの魅力 | GQ JAPAN

日常を普通から「面白い」に変える天才はいます。

バイラル動画で映像クリエイターの第一線に立ったケイシー・ナイスタットは、日常をワクワクするストーリーに変化させる天才です。

マーケティングの本質がケイシーの動画にある

ケイシーの動画はいたって「普通」です。

普通とは日常のこと。誰しも毎日面白いことが起きているわけではなく、バズるネタを探して面白おかしいことを無理やりやる「台本」をもとにして行われていることもある。

基本的に毎日面白いことは起きない、はず。

しかしケイシーは、日常にあった些細な問題を、面白い動画に変えることができます。その技術はいたってシンプルで、「普通と視点が違うだけ」。

例:自動で走るスケートボード

彼は自動で走るスケートボードが大好きだったんだけど、もし1台だけ誰かに送るとしたら、相手を決めていたらしい。

その相手とは因縁よりも「絆」が背景にあって、最終的にはチャリティーな話題にまで発展しました。

このように、普通から疑問を提唱し、社会的な問題にまで発展させることで、多くの人の心を動かしています。

Appleのバッテリー問題

彼の名前を社会に広めたのは、AppleのiPodが大好きだったけど、充電がもたないしバッテリー交換に応じないApple正規店に疑問があったから。

町にある広告にメッセージを入れたものを撮影して回っていました。

それはYouTubeなどで人々の目にとまり、大きな話題となって、Appleがバッテリー交換に応じるようになったという経緯があります。

日常と普通から「面白い」に昇華する

日常とは普通です。普通とは安心安全な状況であるから、生存するには何の申し分もない状態。

しかしながら停滞ともいえる状況で、誰しもそういった「普通」を体験したことはあるだろうし、現在進行形で体験しているかもしれません。

誰もが日常は面白くない

有名人の普通を見たい人(ファン)は多いと思いますが、ごく普通の一般人のことを知りたいと思うことは稀でしょう。

例えば無作為で知らない人の日常を覗けるライブがあったとしても、それを見続けることを面白いと思えるかは難しい。

でも「隣の人」が対象になるとか、会社のメンバーの誰かであれば、面白いコンテンツになるかもしれません。

日常とストーリーを分ける「仕掛け」

日常とは普通です。普通で流行るわけはないし、人の興味をひくこともできません。

だから「ストーリー」と「仕掛け」が大事だと、ナイスタットの動画は教えてくれます。

NYの道路をスケボーで走る動画は、まぁまぁ機会があればゲリラ的でも撮影することはできます。

でもスノーボードで走る動画だったら?年に1度あるかないかの大雪のタイミングを使う必要があります。

大雪自体は珍しいかもしれませんが、町中をスノーボードで走ることが「特別」なんです。

コンテンツ制作で最も重要な「インタレスト」

コンテンツを提供する側は、見ている人を飽きさせない工夫を考える必要があります。

その手法をアイデアと呼ぶことが多いですが、こと「映像世界」においては「インタレスト」が特に重要。

個性は映像技法ではなく「視点」にある

君の撮影アングルに個性はあるか?

キメている顔で撮影している時、本人も気づいてなかった鼻毛が出ていたら?

もし撮影中に写っていた人が偶然にも指名手配犯だったら?

これらの例は普通に該当しませんが、ストーリー性や仕掛けを打つことによって、普通から簡単に脱却することが可能になります。

面白いことを生み出すには、普通から抜け出すストーリーを考えつつ、個性を打ち出す仕掛けが重要だとわかります。

まとめ:創作に必要なのは「技術」ではなく「視点」

最後に重要なポイント。

ケイシーが素晴らしい理由は、高級カメラや最先端の編集技術ではなく、「視点の鋭さ」です。

普通の中に「問題」を見つけ、それを「ストーリー」に変え、さらに「社会的意義」まで付与する。

この思考プロセスを持つことが、クリエイティブの本質なんだと感じます。

誰もが毎日面白いことを起こす必要はありません。

ただ「いつもと違う視点」で日常を見つめることができれば、そこにはドラマが生まれます。

そして、そのドラマを適切に「形」にすることができれば、それは誰かの心を動かす「コンテンツ」になるのです。