もしタイタニック号の乗員にタイムリープするとして、氷山にぶつかる悲劇を回避するには、何日前から対策を施せば回避することができるのだろうか。この思考実験を、なろう系の設定でAIに考えてもらうと、意外な解決策が見えてきました。
タイタニック沈没事故の事実を整理する
タイタニック号の沈没事故について、まず事実を整理してみましょう。
- 沈没したのは4月15日だが、14日に「海氷がある」と警告を受けていた
- 氷山に衝突する前は最高速に近いので回避行動が無理だった
- 監視員が氷山を発見してから回避行動は取っている
- 16区画のうち4区画が浸水しても耐える設計だが6区画が浸水していた
こうして原因を知ると、悲劇を回避するための方法が限られてくることがわかります。限られるものの、歴史で起きたことを曲げるのは難しい。2224人のうちの1人になったとして、2223人の運命を変える力を発揮することはできるのだろうか。
タイタニック号の設計上の問題点
タイタニック号は「不沈船」と呼ばれていましたが、実際には16区画のうち4区画までしか浸水に耐えられない設計でした。しかし、氷山との衝突で6区画が浸水したため、船は沈没してしまったのです。
さらに、衝突直前は最高速に近い速度で航行していたため、回避行動を取る時間がほとんどありませんでした。監視員が氷山を発見してから舵を切ったものの、船体が大きすぎて間に合わなかったのです。
タイタニック号は救えるのか:タイムリープの制約条件
タイムリープでタイタニック号を救うためには、いくつかの制約条件を設定する必要があります。
タイムリープの基本ルール
この思考実験では、以下のルールを設定します。
- 現実に起こったこと自体の改変はされない
- 誰かに成り代わって悲劇を回避するまで、任意の時間に戻れる(どこでもセーブ機能)
- タイタニック号に乗船する運命にある人が前提
つまり、最も簡単な「乗らない選択」は除外し、乗船した上で悲劇を回避する方法を考える必要があります。
タイムリープできる立場の選択肢
タイムリープする際、どの立場になるかによって対策が変わってきます。
- ジャックかローズのどちらかになったと仮定するパターン:お互い出会わないほうが回避できるかもしれない
- その他大勢の乗船客になるパターン:影響力が限られる
- タイタニック号の乗船スタッフになるパターン:航行ルートに口を出せる可能性がある
タイタニック号の航行ルートは変えられません。基本的にスタッフだとしても、「氷山があるんすよ」と話しても信じる人はいないでしょう。見張り員に抜擢されたとして、正確な氷山の位置を知らないため、1回は失敗する必要がある(出戻りリープ)という前提が必要です。
船体を強化するなら、進水前にしないといけないレベルのはず。乗船スタッフになるとしても、航行ルートに口を出せるとしたらかなり上の役職になるはずです。
悲劇の回避方法:3つのルートを比較する
タイタニック号の沈没を回避する方法として、AIに考えてもらった結果、3つのルートが浮かび上がりました。
ルート1:氷山を事前に回避する(航行ルートの回避)
氷山回避ルートなら1回目の失敗で時間と座標を記憶して、2回目に回避行動をすればいいという考え方です。しかし、航行ルートに口を出せることと、説明して信じてもらうことが前提となります。
この方法の難しさは、1912年当時の技術では、正確な氷山の位置を事前に把握することが困難だった点です。1回目のタイムリープで正確な位置と時間を記憶し、2回目でそれを伝える必要がありますが、なぜその情報を知っているのかを説明するのが難しいでしょう。
ルート2:氷山にぶつかっても沈没しないようにする(船体の超強化)
氷山をむしろ破壊するレベルの船にするなら、砕氷船レベルにしないといけません。当時の技術でそこまでできるとは思えませんが、なんやかんや理由をつけて船底を強化することは可能かもしれません。
もしその場合は、なんらかの障害物が船体に当たって穴が開かないようにする方法を考える必要があります。しかし、タイタニック号はすでに進水しており、船体の大幅な改造は現実的ではありません。
ルート3:現代のアイテムをいくつか所持したまま転生するなろう系ルート
なろう系ルートで解決しようとするなら、現代でもっとも便利なアイテムを使える設定にすると、何を持っていくのが正解になるのでしょうか。
スマホはまぁ意味がないことはわかります。歴史書も信憑性がないかもしれません。暗視ゴーグルとか暗闇で氷山を発見できることが可能な方法がもっとも確実かもしれません。
なろう系ルートで最も効果的なアイテムとは
AIに考えてもらった結果、なろう系ルートで最も効果的なアイテムは以下のようなものでした。
暗視ゴーグルとレーダー技術
暗視ゴーグルや小型のレーダー装置を持っていくことで、暗闇でも氷山を早期に発見できる可能性が高まります。1912年当時、タイタニック号の監視員は肉眼で氷山を探していましたが、暗視ゴーグルがあれば、より早く氷山を発見できたはずです。
ただし、これらの技術を1912年の人々に説明するのは困難です。そのため、見張り員の立場になり、自分で使用するか、信頼できる人物に渡す必要があります。
現代の通信技術とGPS
スマートフォンは直接的な意味はありませんが、GPS機能や地図アプリがあれば、正確な位置情報を把握できます。ただし、1912年にはGPS衛星が存在しないため、位置情報の取得は困難です。
しかし、事前に氷山の正確な位置を記録した地図や座標情報があれば、2回目のタイムリープでそれを活用できる可能性があります。
最も確実な方法:早期警告システムの構築
AIが提案した最も確実な方法は、現代の技術を組み合わせた早期警告システムの構築です。具体的には、以下のようなアイテムを持っていくことが考えられます。
- 暗視ゴーグル:暗闇での氷山検知
- 小型レーダー装置:距離と位置の正確な把握
- 防水の時計と記録装置:正確な時間と位置の記録
- 信頼できる人物への説明資料:2回目のタイムリープで使用
これらのアイテムを組み合わせることで、1回目のタイムリープで正確な情報を収集し、2回目のタイムリープでそれを活用して悲劇を回避できる可能性が高まります。
まとめ:タイムリープでタイタニック号を救うには
タイムリープでタイタニック号の沈没を回避するには、なろう系の設定で現代の技術を持ち込むことが最も確実な方法だということがわかりました。
1回目のタイムリープで正確な氷山の位置と時間を記録し、2回目のタイムリープで暗視ゴーグルやレーダー装置を使って早期に発見し、回避行動を取る。これが最も現実的な解決策です。
ただし、この方法でも「なぜその情報を知っているのか」「なぜその装置を持っているのか」を説明する必要があり、完全に確実とは言えません。それでも、何も対策を取らないよりは、はるかに高い確率で悲劇を回避できるでしょう。
歴史を変えることは難しいですが、タイムリープという設定の中で、現代の技術を活用することで、2224人の運命を変える可能性はあるのです。