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浜松市の子育て支援は「微妙」なのか?他市との比較で見るリアルな損得

「浜松市は子育て支援が微妙」。 SNSやママ友の会話で、そんな言葉を耳にすることがあります。 待機児童ゼロを達成し、政令指定都市として充実したインフラを持っているはずの浜松市ですが、なぜ市民の満足度は上がりきらないのでしょうか。

その背景には、近隣自治体との「見えやすい格差」と、行政が抱える構造的なジレンマがあります。

1. 近隣市との比較で感じる「不公平感」

子育て世代が最も敏感になるのが、「お財布に直結する支援」です。 浜松市民がよく比較対象にするのは、磐田市や湖西市といった近隣の自治体です。

  • 給食費: 多くの自治体が無償化に踏み切る中、浜松市は「物価高騰分の補助」などに留まり、完全無償化への動きは慎重です。
  • 医療費: 「高校生までは無料」という自治体が増えていますが、浜松市では一部自己負担(500円)が残るなどの期間がありました(※制度は随時更新されますが、“遅れている"印象が定着してしまっています)。

「隣の市に住んでいればタダなのに」。 このシンプルな事実が、日々の生活の中でボディブローのように不満として蓄積されていきます。特に、車で少し走れば隣の市に行ける生活圏だからこそ、その差をリアルに感じてしまうのです。

2. 政令指定都市のジレンマ:公平性の罠

なぜ浜松市は、思い切った「全額無償化」ができないのでしょうか。 そこには人口規模と財源の壁があります。

人口数万人の自治体であれば、トップダウンで予算を組み替え、特定の層を手厚く支援することが比較的容易です。 しかし、約78万人の人口を抱える浜松市で「給食費完全無償化」を行おうとすれば、その財源は数十億円規模になります。

行政は「公平性」を重視します。 「子育て世帯だけを優遇していいのか?」「高齢者福祉やインフラ整備の予算はどうする?」 このバランスを取ろうとするあまり、結果として「どれも中途半端に薄く広い支援」になってしまっているのが現状です。

3. 「お金を配る」以上の価値を提供できるか

また、単純な「バラマキ」への疑問もあります。

「給食費を無料にする代わりに、質素な食事になるなら意味がない」。 そんな冷静な意見も聞かれます。安易な無償化がサービスの質(給食の食材の質や、教育の質)を低下させるなら、親としては本末転倒です。

「お金(現金給付や免除)」は確かに助かりますが、**「子供を安心して預けられる環境」や「質の高い教育」**こそが、本来求められている支援ではないでしょうか。

  • 病児保育の充実
  • 放課後児童会(学童)の待機ゼロと質の向上
  • 発達障害などの特性を持つ子供への手厚いフォロー

お金では解決できない、こうした「現場のセーフティネット」にお金をかけることこそ、政令指定都市の役割かもしれません。

お金以上の価値を提供する支援の柱

まとめ:隣の芝生は青いが、浜松の芝生をどう育てるか

「お金をくれる街」に人は集まりますが、それが永続的な定住に繋がるとは限りません。 浜松市が目指すべきは、「お金で釣る」ことよりも、「浜松で子育てをすれば、子供が豊かに育つ」という体験の質を上げることです。

とはいえ、家計の負担感はリアルな問題です。 「微妙」という評価を覆すためには、将来への投資(質の向上)を訴えつつ、目に見える形での負担軽減策(第2子以降の無償化拡大など)をスピーディーに打ち出す、**「現実的なお得感」**の演出もやはり不可欠なのかもしれません。