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浜松市の道の駅構想:新野球場とセットで篠原地区に建設?その規模と課題

浜松市西区篠原地区に、「道の駅」を作る構想が持ち上がっています。 これは現在議論が進んでいる新野球場とセットで整備されるもので、敷地面積は約4万2000平方メートル、建物規模は5000平方メートル程度が想定されています。

まだ計画の初期段階ではありますが、この「4万平方メートル」という数字がどの程度の規模なのか、そしてこの場所に作ることの意味について、現時点での情報を整理してみます。

ちなみにサムネの画像はAIくんの構想した画像です。国立があるぜ!?

浜松市予算案資料

出典:浜松市公式ウェブサイト

静岡県内の道の駅としては「それなり」な規模

まず、敷地面積4万2000平方メートルという広さについてです。 数字だけで聞くと広大に感じますが、東京ドームの建物部分が約4万7000平方メートルであることを考えると、ドーム球場一回り小さいくらいの広さと言えます。

県内の他の道の駅と比較してみましょう。 富士宮市にある「道の駅 朝霧高原」は、敷地面積が約36,000平方メートルで、篠原地区の計画はこれより少し大きい程度です。

一方で、牧之原市に新しくできた「道の駅 そらっと牧之原」は、Googleマップ等で確認する限り約8,000平方メートル弱とコンパクトです。

つまり、篠原の道の駅は「県内ではそれなりに大きな部類」に入ると言えそうです。

浜松市内にある既存の道の駅との違い

浜松市内には現在、以下の道の駅があります。

  • 道の駅 くんま水車の里
  • 道の駅 天竜相津花桃の里
  • 道の駅 いっぷく処横川

これらは正直なところ、「大規模な観光拠点」というよりは、山間部から岐阜や長野へアクセスする前後の休憩所といった趣が強い施設です。 市街地からも距離があり、市民が日常的に利用する場所ではありません。 とはいえ、たまに寄ると地元野菜だったり漬物などがアツいですね。

対して、新しく計画されている篠原地区の道の駅は、国道1号バイパスに近く、東西からのアクセスが非常に良好です。 観光客が浜松に立ち寄る際の「ワンクッション」としての役割が大いに期待できます。 また、市民にとっても2車線道路でアクセスしやすい場所にあるため、既存の道の駅とは全く異なる「都市型・郊外型」の集客施設になるでしょう。

懸念されるのは「水害」のリスク

立地における最大の懸念点は、やはり自然災害です。

津波への対策

篠原地区は遠州灘に面しており、海抜も低いため、津波被害が心配されます。 防潮堤の整備は完了していますが、それでも最大想定では浸水区域になっています。 万が一の事態に備え、球場と道の駅の建物を津波避難施設(津波避難ビル)として兼用する構想が不可欠でしょう。

大雨による冠水

もう一つ見逃せないのが大雨被害です。 篠原地区は平坦な地形で、過去にもゲリラ豪雨による冠水被害が発生しています。 近年の気象状況を考えると、2025年台風15号による静岡空港で起きた「大雨で駐車場が水没する」といった事態も想定しておかなければなりません。 排水設備や嵩上げなどの対策が重要になります。

https://www.mtfuji-shizuokaairport.jp/information/20250905kansui/

新野球場との相乗効果:駐車場と車中泊

構想では、駐車場にかなり余裕を持たせる計画のようです。 もしここで公式に「車中泊(RVパーク化)」を認めるならば、全国の車中泊ファンや野球観戦客にとっての一大拠点になる可能性があります。 ちなみにこのRVパーク化は、外国だとそれなりにアツいビジネスとして流行の兆しがあるよう。

新球場の集客効果については未知数な部分もありますが、旧浜松球場で行われていた高校野球や各種イベントが移行してくるとすれば、一定の人の流れは生まれます。 「野球観戦 × 車中泊 × ご当地グルメ」という組み合わせで、いかに滞在時間を延ばし、お金を落としてもらうかがビジネスとしての勝負所になりそうです。

最大の課題は「市民と観光客のアシ」

施設ができても、そこへ行く手段が問題です。 このエリアには浜松市総合水泳場などの施設がありますが、公共交通機関(バス)が非常に弱いのが現状です。

基本的には「クルマで行く場所」になるでしょう。 しかし、市民が利用する場合や、遠方から新幹線+レンタカー以外で来る層を考えると、公共交通の充実は避けて通れません。 イベント時のみシャトルバスを運行するとしても、そのコストを誰が負担するのか(イベント主催者なのか、行政なのか)という問題が残ります。

道の駅の駐車場が、新球場の駐車場不足を補う形になるのか、あるいは競合してしまうのか。お互いが喧嘩しないような運営設計が求められます。

まとめ:ただの「ハコモノ」で終わらせないために

道の駅事業は補助金が活用しやすいため、行政としては取り組みやすいビジネスモデルではあります。 しかし、単に箱を作っただけでは、浜松駅周辺の活性化には繋がりませんし、すぐに飽きられてしまいます。

「野菜を買うために、わざわざ電車に乗って行くか?」と問われれば、クルマ社会の浜松では「No」でしょう。 オープン直後の話題性が過ぎ去った後、1年後も賑わいを維持できるか。そのためには、魅力的なテナントの誘致や、ここでしか体験できないコンテンツの提供が必要です。

単なる休憩所ではなく、浜松の新しい「目的地」になれるような、知恵を絞った開発を期待したいと思います。

参考資料