LAで「使い捨てインク」が禁止されるというニュース。
現地ではかなり大きな話題となって報じられていますが、これは決して対岸の火事ではありません。 日本国内のプリンター事情も、実は「うかうかしてられない」状況にあります。
「全会一致」で可決された、LA市のゼロ・ウェイストへの不退転の決意
2026年1月末、ロサンゼルス市議会が衝撃的な条例案を可決しました。 リサイクルできない「使い捨て」インク・トナーカートリッジの販売を市内で禁止するというものです。
驚くべきは、これが 「全会一致」 で可決されたという点です。
違反すれば最大1,000ドルの罰金という、かなり本気で「ゴミの強制排除」に乗り出しました。 これまで「善意」に頼っていたリサイクルを、ついに 「法」 で強制するフェーズに入ったと言えます。
「環境に悪い」ほど財布に優しいという、逃れられないマーケットのバグ
なぜ、これほどまでに使い捨てカートリッジが普及してしまったのでしょうか。 その理由はシンプルに 「圧倒的に安くて便利だから」 です。
- 捨てる方が安いという逆転現象
- リサイクルにかかる手間とコストの押し付け
- 本体を安く売り、インクで稼ぐビジネスモデルの限界
正直、私もユーザーとして「純正品は高いな」と感じることは多々あります。 しかし、安価なサードパーティ製の使い捨てインクが、自然分解に450年〜1000年もかかるゴミを大量生産している事実は無視できません。
「合理的・経済的に判断すると、環境に悪い選択肢が正解になってしまう」という、マーケットの欠陥がここにはあります。
日本の回収率10%という数字に潜む、リサイクル大国の「不都合な真実」
日本の現状に目を向けると、状況はさらに複雑です。 家電量販店で見かける回収箱ですが、その実態は「純正品」がメインです。
格安の使い捨てカートリッジの多くは、回収ルートが確立されていません。 結果として、そのほとんどが 「燃えないゴミ」 として埋め立てられているのが現実です。
また、日本が得意とする「サーマルリサイクル(燃やして熱利用)」も、欧州基準ではもはや「リサイクル」とは見なされなくなっています。
日本国内でも今後、プラスチック資源循環促進法の強化などで、こうした「逃げ道」が塞がれる可能性は大いにあります。 「リサイクルしているつもり」が、実は環境負荷を先送りにしているだけかもしれない。
そんな不都合な真実に、私たちは向き合うべき時が来ています。
「安さ」と「不便」のどちらを選ぶか?私たちが直面する新たな選択肢
最近ではエプソンの「エコタンク」のように、カートリッジを使わない大容量モデルも増えています。 しかし、本体価格は高くなり、インクの補充も「カチッ」と差し替えるほど手軽ではありません。
LAのこの条例は、こうした 「リフィル(詰め替え)型」 への市場強制シフトです。 これからの時代、私たちは「安くて便利」を少し諦め、「面倒で少し高いけど、長く使えるもの」を選ぶ覚悟が求められています。
結局のところ、エコロジーとは 「不便さを愛せるか」 という問いなのかもしれません。
安さへの依存を脱却し、長く使えるものを選ぶ。 ワイ(私)も、次は「安さ」だけで判断しないと心に決めています。
