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プロンプトエンジニアリングにおける文系と理系の違い

最近はビジネスの現場において、文系人材の影がかなり薄くなってきているように感じます。それもこれも、生成AIが仕事をするうえで必須レベルのツールになってきたからです。

文系復権のチャンスではなかったのか?

でも、ちょっと待ってください。

生成AIの使い方自体は、文章で指示する「プロンプト」があってこそ成り立ちます。つまり、文章を構成し、言語を操る能力に長けた文系の方こそ有利なのでは? と思う人も多いはずです。

しかし、世間のトレンドは相変わらず「理系人材」を求めています。某社では募集要項から文系対象の枠をカットしたりと、世間はまさに理系全盛の時代となっています。

これはこれで「今更感」があります。その方向性(理系重視)に行かなかったせいで、日本は「失われた◯年」を経験したと言われていますが、あと何回同じことを言われるのでしょうか。

プロンプトの本質は「自然言語」だが…

それはさておき、本来プロンプトは文系と理系、どちらにも書くことはできるはずです。

  • 「文系だから文章が得意」というわけではない
  • 「文系だからプログラミング的思考が理解できない」というわけでもない

そもそもプロンプトは自然言語(日本語や英語)でいいのですから、人に物事を教えるような感覚で「PC上で実現したい・やりたいこと」を指示するだけで機能します。さらには、プロンプト自体をAIに書かせる(メタプロンプト)こともできるため、極論を言えば文系と理系の隔たりはAI活用において無いに等しいはずなのです。

なぜ理系が尊重されるのか

それなのに、なぜこれほどまでに理系が尊重される時代になっているのでしょうか。背景にはいくつかの理由が考えられます。

  1. 「論理的構造」への理解: プロンプトは自然言語ですが、AIが理解しやすいのは「論理的に破綻のない、構造化された指示」です。この構造化スキルは、プログラミング教育を受けてきた理系人材の方が馴染みがあるケースが多いです。
  2. 検証とデバッグの姿勢: 生成されたアウトプットが正しいかどうかを検証し、間違っていれば「なぜ間違っていたか」を仮説検証するプロセス(デバッグ)は、理系的アプローチそのものです。
  3. システムへの組み込み: 単発のチャットではなく、APIを通じてシステムにAIを組み込む段階になると、どうしてもエンジニアリングの知識が必要になります。

まとめ:文系・理系の垣根を超えて

とはいえ、「自分は文系だから」と諦める必要は全くありません。

プログラミング言語という「人工言語」へのアレルギーさえ無くせば、自然言語でシステムを動かせる今の時代こそ、文系人材がその言語能力(表現力、コンテキストの理解力)を武器にできる最大のチャンスでもあります。

「理系時代」という言葉に流されず、AIというツールを使って、文系・理系というカテゴリ自体を意味のないものにしていくことこそが、これからの人材に求められる本当のスキルなのかもしれません。