Amazonなどの配達で「置き配」が標準化されています。
玄関前に荷物を置いてもらえるので、不在時でも受け取れる便利なシステムです。しかし、「置き配盗難」のリスクは常に隣り合わせです。
便利さの裏にある危険性と、その対策について考えてみます。
置き配の利便性と盗難リスク
置き配は、配達員と受取人の双方にメリットがあるシステムです。
置き配のメリット
- 不在でも受け取れる:仕事や外出中でも荷物が届く
- 再配達の手間がない:配達員も受取人も時間を節約できる
- 非接触で受け取れる:コロナ禍以降、衛生面でも好まれる
しかし、このメリットの裏には、大きなリスクが潜んでいます。
置き配盗難のリスク
玄関前に放置された荷物は、「誰でも持っていける」状態です。
- 無防備な状態:鍵もかからず、監視もない
- 犯行が容易:数秒で持ち去れる
- 証拠が残りにくい:顔を隠せば特定が難しい
性善説に頼るシステムには、限界があるのです。
置き配盗難の実態
置き配盗難は、決して珍しい犯罪ではありません。
狙われやすいタイミング
配達員の繁忙期
Amazonのセール期間(プライムデー、ブラックフライデーなど)は、配達員が最も忙しい時期です。
この時期は、配達員が「置き配」を選択する確率が高く、また、配達員を装った犯行も起きやすくなります。
夜間の配達
夜間に配達された荷物は、翌朝まで放置されることが多く、盗難のリスクが高まります。
狙われやすい荷物
- 大きな荷物:中身が高価だと推測される
- Amazonのロゴ入り段ボール:電化製品などが入っている可能性が高い
- 複数の荷物:まとめて盗まれるリスク
現状でできる対策
置き配盗難から荷物を守るために、現状でできる対策を見ていきます。
1. PUDO(宅配ロッカー)の活用
PUDOステーションは、駅やコンビニなどに設置されている宅配ロッカーです。
メリット
- 最も確実:鍵付きロッカーで安全
- 24時間受け取り可能:好きな時間に取りに行ける
- 盗難リスクゼロ:物理的に守られている
デメリット
- 取りに行く手間:自宅まで配達されないため、取りに行く必要がある
- 設置場所が限られる:近くにない場合もある
- 大きな荷物は入らない:ロッカーのサイズに制限がある
結論:手間はかかるが、最も確実な自衛策です。
2. 宅配ボックスの設置
自宅に宅配ボックスを設置する方法です。
メリット
- 自宅で受け取れる:取りに行く手間がない
- 鍵付きなら安全:ある程度の防犯効果がある
デメリット
- ボックスごと盗難のリスク:固定していないと、ボックスごと持ち去られる可能性がある
- 設置スペースが必要:玄関前にスペースが必要
- コストがかかる:数千円〜数万円の初期投資が必要
結論:地面に固定するなど、ボックス自体の盗難対策が必須です。
3. 監視カメラの設置
玄関前に監視カメラを設置する方法です。
メリット
- 抑止力になる:カメラがあるだけで犯行を思いとどまらせる効果がある
- 証拠として使える:万が一盗まれた場合、映像が証拠になる
デメリット
- 盗ませない物理的防御ではない:カメラがあっても、盗まれる時は盗まれる
- 顔を隠されると特定が難しい:マスクや帽子で顔を隠されると、証拠としての価値が下がる
- コストがかかる:カメラの購入・設置費用が必要
結論:抑止力・証拠にはなるが、完全な防御策ではありません。
4. 置き配を指定しない
最もシンプルな対策は、「置き配を指定しない」ことです。
メリット
- 盗難リスクゼロ:対面で受け取るため、盗まれる心配がない
デメリット
- 不在時に受け取れない:在宅時しか受け取れない
- 再配達の手間:不在の場合、再配達を依頼する必要がある
結論:高価な荷物や重要な荷物は、対面受け取りを指定するのが安全です。
未来の対策:住宅設備としての標準化
現状の対策には、それぞれ限界があります。根本的な解決には、「住宅設備としての宅配ボックス」が必要です。
オートロックマンションの課題
オートロックマンションは、セキュリティが高い反面、置き配ができないという問題があります。
- エントランスで止まる:配達員が玄関前まで来られない
- 宅配ボックスが満杯:共用の宅配ボックスが埋まっていることが多い
貫通型宅配ボックスの提案
これからの住宅には、「貫通型宅配ボックス(壁埋め込み型)」が標準装備されるべきです。
貫通型宅配ボックスとは
壁に埋め込まれた宅配ボックスで、外側から荷物を入れ、内側からしか取り出せない構造です。
メリット
- 物理的に安全:内側からしか取り出せないため、盗難リスクがゼロ
- 在宅・不在を問わない:いつでも受け取れる
- 再配達不要:配達員も受取人も時間を節約できる
- プライバシー保護:在宅かどうかを配達員に知られない
実現に向けた課題
- 建築コスト:新築時に設計する必要がある
- 既存住宅への後付けが難しい:壁に穴を開ける工事が必要
- サイズの制限:大きな荷物は入らない可能性がある
海外の事例
アメリカでは、「Amazon Key」というサービスがあります。これは、配達員が一時的に玄関の鍵を開けて、室内に荷物を置くシステムです。
しかし、日本では「他人を家に入れる」ことへの抵抗感が強く、普及は難しいでしょう。
むしろ、「誰も家に入れず、安全に受け取れる」貫通型宅配ボックスの方が、日本の文化に合っていると考えられます。
置き配盗難への心構え
置き配盗難は、「起こるかもしれない」ではなく、「起こりうる」リスクです。
便利さには相応のコストが必要
置き配の便利さを享受するには、相応のコスト(手間or設備投資)が必要です。
- 手間をかける:PUDOまで取りに行く、対面受け取りを指定する
- 設備投資をする:宅配ボックスや監視カメラを設置する
どちらを選ぶかは、あなたの生活スタイルと価値観次第です。
高価な荷物は対面受け取りを
パソコン、スマートフォン、カメラなど、高価な荷物は「対面受け取り」を指定することをおすすめします。
少しの手間で、大きなリスクを回避できます。
盗まれた場合の対応
万が一、置き配が盗まれた場合は、以下の対応を取りましょう。
- 販売元に連絡:Amazonなどの販売元に盗難を報告する(補償される場合がある)
- 警察に被害届:盗難は犯罪です。必ず警察に届け出る
- 配達業者に連絡:配達状況を確認し、証拠(配達写真など)を入手する
まとめ:現状はPUDO活用が最強の自衛策
置き配は便利ですが、盗難リスクと隣り合わせです。
現状でできる最強の自衛策:
- PUDO(宅配ロッカー)を活用する:最も確実な方法
- 高価な荷物は対面受け取りを指定する:リスクを避ける
- 宅配ボックスを地面に固定する:ボックスごと盗まれないように
- 監視カメラを設置する:抑止力と証拠のため
未来への期待:
- 貫通型宅配ボックスの標準化:新築住宅の標準装備として普及してほしい
- 住宅設計の変化:「置き配前提」の住宅設計が求められる時代
便利さを享受するには、相応のコスト(手間or設備投資)が必要です。
あなたの生活スタイルに合った自衛策を選び、安心して置き配を利用できる環境を整えましょう。
