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街中でふとした拍子に目に入る、タバコ屋さんの古い看板。 そこには英語の「TOBACCO」ではなく、「TABACCO」と書かれているのをよく目にします。
これ、単なる昔の人のスペルミスだと思っていませんでしたか? 実は、日本独自の「歴史的選択」と「デザインへのこだわり」が凝縮されているんです。
タバコが日本に伝わったのは16世紀、ポルトガルから。 元々のポルトガル語では「tabaco」とCは1つでした。
しかし、かつての専売公社が採用したのはイタリア語と同じCが2つの綴り。 理由は「デザイン上のバランス」だったという説が有力です。 文字数が少ないとロゴにした時に間が抜けて見えたから、一つ足して「CC」にした……なんとも日本的な感性ですよね。
加えて、明治以降に入ってきた英語の「TOBACCO」の影響も。 発音は「タ」だからAのまま、綴りは英語っぽく重厚感のある「CC」に。 そんなハイブリッドな進化を遂げたのが、日本独自の「TABACCO」なんです。
言葉が海を越えてきた時、それをそのまま受け入れるのではなく、自国の感覚に合わせて調整していく。 そこには「自分たちの文化」として取り込もうとする、強い文化的アイデンティティを感じます。
カステラやボタンもそうですが、日本人の「変える力」って本当に面白いですよね。 次に古い看板を見かけたら、その綴りの裏にあるデザイナーの迷いに思いを馳せてしまいそうです。
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