ブラジルのサンパウロ市には「クラコランディア(Cracolândia)」と呼ばれる地域があり、その治安の悪さや麻薬問題から「ブラジルでもっともヤバイ町」として知られています。
一体どんな場所なのか、そしてなぜここが危険な場所とされているのか、この記事で詳しく解説します。
クラコランディアとは?
クラコランディアは、ブラジルのサンパウロ市中心部に位置するエリアで、クラックコカインの密売や使用が集中していることで有名です。
この地域には多くの麻薬中毒者やホームレスが集まり、治安が非常に悪化しています。
そのため、「クラックランド」とも呼ばれることがあり、地元の人々からも恐れられています。
クラコランディアの歴史的背景
クラコランディアの問題が顕在化したのは1990年代にさかのぼります。
貧困や社会的な格差の影響もあり、麻薬取引が地域全体に広がっていきました。
以降、治安の悪化は進み、サンパウロ市内で最も危険なエリアの一つとして知られるようになりました。
なぜクラコランディアが危険なのか?
クラコランディアが危険とされる理由は以下の通りです。
- 麻薬中毒者の集中
この地域ではクラックコカインの使用が広まり、麻薬中毒者が路上で暮らしています。薬物依存の影響で犯罪率も高く、通行人や近隣住民にとって安全な環境とは言えません。 - 犯罪率の高さ
麻薬売買や暴力事件が頻発しているため、観光客や地元の人も近寄りがたい場所となっています。特に夜間には危険が増し、地域を歩くこと自体がリスクとなります。 - 衛生環境の悪化
麻薬使用者が路上で生活することで、衛生環境が著しく悪化しています。これにより、感染症のリスクも高まり、健康被害が懸念されています。
日本と比べれば、外国はどこも治安が悪いといえます。
ブラジルも空港を降りた瞬間から、日本人にとっては危険なんですが、そこで暮らすサンパウロ市民からもヤバイといわれているので、我々の想像を越える地域なのでしょう。
日本のフィクションにおける”スラム”がそこにあります。
ブラジル政府とサンパウロ市の取り組み
クラコランディアの治安改善に向け、ブラジル政府やサンパウロ市はさまざまな対策を講じてきました。以下がその代表的な施策です。
- 麻薬取締りの強化
警察による取り締まりを強化し、麻薬密売者の摘発を進めています。しかし、取り締まりだけでは根本的な解決には至らず、地域から麻薬依存者が減る気配はありません。 - 社会復帰プログラムの実施
麻薬中毒者に対するリハビリテーションや職業訓練を提供し、社会復帰を支援しています。これにより、中毒者が再び社会の一員として生活できるようサポートしています。 - 地域再開発の推進
サンパウロ市は、クラコランディア周辺のインフラ整備や住宅供給を通じて、地域の再生を図っています。住みやすい環境を提供することで、治安の改善を目指しています。
クラコランディアを調べる課程で、この町がいかにヤバイかと実感した写真記事があります。
町の清掃活動をするために、銃を持った装備ガチガチな警官が守りつつ掃除しないといけないとか、ごみ拾いが命がけすぎやしませんかね……。
クラコランディアの現在と課題
サンパウロ市やブラジル政府の取り組みがあるものの、クラコランディアの問題は依然として深刻です。
麻薬中毒者の増加や再犯率の高さ、社会的支援の不足など、解決すべき課題は山積みです。
また、地域の再開発を進めるにあたっても、強制的な排除が住民や人権団体から反発を招いており、持続的な解決にはまだ長い道のりがあるとされています。
現地住民と政府が協力し、長期的な視点で地域改善を進める必要があります。
クラコランディアの未来と私たちが学べること
クラコランディアの問題は、ブラジルだけでなく、世界中で起こりうる麻薬依存や治安悪化の象徴です。
根本的な解決には、貧困問題や教育、社会復帰支援といった包括的なアプローチが求められます。
クラコランディアのような地域がなくなる未来を実現するために、私たち一人ひとりが社会問題について理解し、支援の重要性を認識することが大切です。
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