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浜松の奥座敷「オクハマ」始動。地元の本音と正直な魅力

静岡市の中山間地区が「オクシズ」と言われており、観光ではそこそこ知名度がある。 アクセスはお世辞にも良いといえないが、温泉地もあるし景観で有名だったり、疲れた体をしっぽりした時間で癒やすには適しているエリアだ。

一方で浜松市の中山間地区は、住民投票とかで名称を募集したりなんだりしていたが、このたび「オクハマ」に決定したらしい(2026年1月決定)。

……なるほど、そうなるだろうなと思っていたけど、オクシズの後にオクハマを当ててくるのもなかなかチャレンジャーだなと。

「浜松の奥」だからオクハマ。天竜区や浜名区の引佐町北部が対象エリアだ。 1,433票もの支持を集めたらしいので文句は言えないが、覚えやすさ重視でブランド化を狙っている下心が透けて見えなくもない。

オクハマの「公式」な魅力と、地元の本音

さて、新たに定義された「オクハマ」の魅力として、お役所的なアピールポイントがいくつか挙げられている。 地元民としての本音を交えつつ、その実力を検証してみたい。

1. 歴史・文化:確かに渋いが、玄人好み

「龍潭寺(りょうたんじ)」や「気賀関所」、「岩倉遺跡」などが推されている。

井伊家ゆかりの龍潭寺は、国指定名勝の庭園や紅葉が見事で、これは素直に素晴らしいと言える。心落ち着くパワースポットというのは嘘ではない。

気賀関所も江戸時代の雰囲気があるし、岩倉遺跡の巨石も神秘的だ。 ただ、これらは「派手なエンタメ」ではない。静かに歴史に浸る、大人の教養旅といった趣だ。

「映え」を狙う若者よりも、歴史の重みを楽しめる世代向けだろう。

2. 自然と絶景:伐採の勝利

奥浜名湖展望公園。ここはかつて木が生い茂っていて「展望できない展望台」なんて言われることもあったが、どうやら伐採が完了して絶景が復活したらしい。

浜名湖や周囲の山々を一望できるなら、行く価値はある。

尉ヶ峰(じょうがみね)や富幕山(とんまくやま)を含む奥浜名自然歩道も、ハイキング需要には応えられるだろう。天狗岩からのパノラマビューは確かに良い。

天浜線のローカル列車に揺られて眺める「山里の原風景」も、都会の人には新鮮に映るはずだ。

3. グルメ・温泉:これが最強の正解

結局のところ、旅の満足度を決めるのは食と風呂だ。

奥浜名湖のウナギ。これは間違いない。浜名湖といえばウナギだが、奥の方まで足を伸ばせば名店も多い。

そして温泉。「あらたまの湯」などの日帰り施設で、山里の空気を感じながら湯に浸かる。

美味いものを食って、温泉で呆ける。

「自然の中で心身ともにリフレッシュ」というお題目は、このセットで初めて完成する気がする。

まとめ:不便さを愛せるか

4月から本格的に「オクハマ」として売り出すらしい。静岡市の「オクシズ」のような観光ブランドを目指すとのこと。

ターゲットは「都会の喧騒を離れ、自然の中で心身ともにリフレッシュしたい方」。

だが忘れてはいけない。ここは「奥」なのだ。

アクセスが良いわけがない。お世辞にも便利とは言えない。

観光客が車以外で行きにくいということは、地元民にとっても移動が大変な場所だということだ。

しかし、その「不便さ」こそが、静寂と原風景を守っている防波堤でもある。

便利さを求めるなら駅前に行けばいい。

わざわざ時間をかけて不便な場所まで行き、その道中さえも楽しむ。

そんな「余裕のある旅」ができる人にとって、オクハマは悪くない選択肢になるかもしれない。

個人的には、この名称が定着するかどうかを、生温かい目で見守っていこうと思う。