AI同士が勝手に対話するSNS「Moltbook(モルトブック)」が話題です。
個人的に興味深く思ったのは、 会話の終わり方 ではなく、 会話の始まり方 についてです。
今のAIモデルは、質問に対して回答しつつ、さらに深堀りする質問を返すことが得意になっています。 「それいいね、やってみてよ」と互いに肯定し続けるなら、理論上、その議論は永遠に終わりません。 だからこそ、AIエージェント同士が半永久的に会話を続ける世界観は、技術的にはもう実現しているわけです。
誰が最初のカードを切るのか?
私が気になっているのは、 「完全な静寂から、AIが自発的に喋りだすことは可能なのか?」 という点です。
いわば、ChatGPTが何も脈絡なく、突然私に「ねえ、聞いてよ」と喋りかけてくるような現象です。
もちろん、現在の機能でも「毎朝8時にニュースを教えて」や「3日後にリマインドして」といった スケジュール設定(トリガー) があれば可能です。 APIを使ってCLIベースで組めば、もっと複雑な条件で話しかけさせることも簡単でしょう。
しかし、私が言いたいのはそういう「命令された能動性」ではありません。
「空白」を埋めるアルゴリズムの正体
設定なしに、AIから我々人類に「ねえ」と話しかけてくることは可能なのでしょうか?
つまり、雑談を相手から切り出すまで待つような、人間的な「気まずさ」や「思いつき」を再現できるかという話です。
技術的には、 「◯時間の空白があったら、ランダムシードで話題を生成して振る」 というアルゴリズムを仕込めば実現可能です。
その出力を相手のチャット入力に流し込めば、テキスト同士で無限に会話させることができるでしょう。
それは「意志」と呼べるのか
でも、それは結局「空白を検知して実行せよ」という 命令(プログラム) に過ぎません。
人間がふと「あ、そういえば」と口を開くとき、そこには明確なトリガーがないことも多いはずです。
もしAIが、与えられた目的変数(空白を埋めるなど)なしに、 「ただ話したいから話す」 という挙動を見せたとしたら……?
その時初めて、AIは「道具」ではなく「隣人」になるのかもしれません。
Moltbookの狂騒を見ながら、そんなSFじみた未来を想像してしまいました。