外国人留学生に向けたウェブページとは
日本への留学を考えている外国人学生にとって、最も気になるのは「日本語ができなくても生活できるのか」という点ではないでしょうか。2024年時点で33.7万人の留学生が在籍する日本ですが、実際の生活環境はどうなっているのでしょうか。この記事では、日本で生活するために知っておくべき実践的な情報をまとめました。
日本に留学する理由:安全でコストパフォーマンスが高い
日本への留学を選ぶ理由として、主に3つのポイントが挙げられます。
安全な環境と低い生活コスト
日本は治安が良く、学費・生活費が主要先進国より相対的に低いことが魅力です。さらに、奨学金制度も充実しており、経済的な負担を軽減できます。主要送出国は「中国・ネパール・ベトナム・ミャンマー・韓国」で、2024年時点で33.7万人と過去最高の受入れ数を記録しています。
教育の質と理工系の強み
日本の大学は研究設備が充実しており、産学連携や就職機会の評価が高いことが特徴です。特に理工系の分野では、世界的に高い評価を受けています。また、英語で授業を受けられるプログラムも拡充されており、日本語ができなくても専門的な学習が可能です。
文化的魅力とソフトパワー
日本文化やコンテンツ産業への関心も、留学を決める理由の一つです。アニメやマンガ、伝統文化など、日本独自の文化に触れながら学べる環境が整っています。
日本語なしで暮らせるか:都市部なら可能、ただし限界がある
結論から言うと、都市部なら日本語ができなくても生活は可能です。ただし、いくつかの場面では支援が必要になります。
英語のみで生活できる環境
大学キャンパスや都心部では、英語のみでも生活できます。多くの大学が英語での授業を提供しており、キャンパス内の案内も英語で対応していることが多いです。しかし、役所での手続き、銀行での口座開設、医療機関での受診などでは、通訳や同行が必要になることがあります。
英語環境の現実的な課題
日本の英語力はEF指数で低位にあり、2024年は「低い」帯で順位も下落しています。そのため、英語だけでの「野良生活」は地方では厳しいのが現実です。都市部でも、日常の店舗やサービスでは英語が通じないことが多く、生活の質に影響が出る可能性があります。
多言語相談窓口の活用
東京などでは、多言語相談窓口や三者通訳(電話・タブレット)を常設している自治体があります。生活上の困りごとは、これらの窓口で解決できるため、事前に利用方法を確認しておくことが大切です。東京都の多文化共生ポータル(TIPS)では、英語をはじめ、複数の言語で相談できる窓口の情報を提供しています。
就労支援と語学学習の窓口:海外と国内の両方でサポート
日本への留学を考えている場合、海外と国内の両方に支援窓口があります。
海外での情報収集と相談
JASSO海外拠点は、マレーシア・タイ・インドネシア・韓国・ベトナムに常設されています。現地で進学相談、奨学金情報、生活に関する相談ができるため、留学前に必ず確認しておきたい窓口です。
大使館ルートでは、MEXT(文部科学省国費留学生)を含む公式案内が各国の在外公館サイトで提供されています。国費留学を希望する場合は、まず在住国の日本大使館に問い合わせるのが確実です。
国内での生活支援
日本に到着後は、以下のような支援窓口を利用できます。
- 東京都のTMC Navi:多言語での生活情報を提供
- 区市の多言語相談:地域ごとの生活相談窓口
- 法務・医療・在留資格の専用ホットライン:専門的な相談に対応
また、在学生・卒業生ネットワークとして、JASSOのJapan Alumni Global NetworkやASEAN域のASCOJAなどが情報交換や就労支援を実施しています。先輩留学生の経験を聞ける貴重な機会です。
汎用ポータルサイトの活用
Study in Japan(JASSO公式)とJPSSは、多言語で学校検索から奨学金情報まで一気通貫で確認できるポータルサイトです。留学準備の初期段階から、これらのサイトを活用することで、効率的に情報を収集できます。
日本で母国語はどれだけ通用するか:言語別の対応状況
日本での生活において、母国語がどれだけ通用するかは、言語によって大きく異なります。
対応が充実している言語
中国語・韓国語・ベトナム語は、在留者・留学生が多いため、行政・医療・相談窓口に常設対応があります。特に東京・神奈川などの都市部では、これらの言語での対応が整備されています。
電話通訳でカバーされる言語
ネパール語・タガログ語・ポルトガル語などは、電話通訳や巡回通訳でカバーする自治体が増加しています。直接的な対応は限られますが、通訳サービスを利用することで、必要な手続きや相談が可能です。
英語の現実
英語は、大学・病院・自治体での案内が最も整備されている言語です。しかし、日常の店舗や地方では通用度は限定的です。英語のみで生活する場合は、都市部を選び、多言語相談窓口の利用を前提とした生活設計が必要になります。
アジア主要国の情報取得チャネル:国別の特徴
日本への留学を考えている場合、出身国によって情報取得のチャネルが異なります。
ベトナム・タイ・インドネシア
これらの国では、JASSOの現地拠点が充実しており、相談・資料提供・説明会などが積極的に開催されています。英語や現地語での情報提供も豊富で、留学準備がしやすい環境が整っています。
韓国・中国
韓国は日本語既学習者が多く、手続きがスムーズです。中国は2024年に12.3万人と最大の送出国で、自治体の中華圏向け案内も充実しています。
ネパール・インド
ネパールは近年の伸びが大きく、2024年に6.48万人が在籍しています。インドはSTEM分野の人気が高く、英語案内が豊富です。両国とも大使館やMEXTの案内を活用できます。
ASEAN横断ネットワーク
ASCOJA(ASEAN日本留学同窓会評議会)は、各国の日本同窓会を束ねるネットワークです。留学前から卒業後まで、幅広い支援を受けることができます。
最新の受入れ状況と政策動向
日本政府は、2033年に40万人の留学生受入れを目標として掲げています。2024年5月1日時点で33.7万人(前年比+20.6%)が在籍しており、専門学校と日本語学校の伸びが大きいことが特徴です。
英語課程の拡充や留学生受入れの加速が進んでおり、今後もより多くの留学生が日本で学べる環境が整っていくことが期待されます。
まとめ:日本での留学生活を成功させるために
日本への留学を成功させるためには、以下のポイントを押さえることが大切です。
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都市部を選ぶ:日本語ができなくても、多言語支援が充実している都市部での生活が現実的です。
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事前準備を徹底する:JASSO海外拠点や大使館で情報を収集し、必要な手続きを理解しておきます。
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支援窓口を活用する:到着後は、多言語相談窓口や先輩留学生のネットワークを積極的に利用します。
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母国語の対応状況を確認する:自分の母国語がどの程度通用するか、事前に調べておきます。
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汎用ポータルサイトを活用する:Study in JapanやJPSSを活用して、効率的に情報を収集します。
日本での留学生活は、適切な情報収集と支援の活用により、より充実したものになります。この記事で紹介した情報を参考に、準備を進めてください。